赤ちゃんを初めて見た時、
正直なところ、
すぐに
「お母さんになった」
という実感は湧きませんでした。
元々母性が強いタイプではなかったですし、
どちらかというと隣で夫が大喜びしている姿を見て、
「あぁ、頑張ってよかったなぁ」
と安堵する気持ちの方が強かったんです。
同時に、
「私にはこれからちゃんと母性が生まれるんだろうか」
という不安も少しだけありました。
赤ちゃんにはたくさんの管が繋がっていて、
最初は抱っこするのも怖くて。
NICUの看護師さんに
「抱っこしたい?」
と聞かれた時も、
思わず
「してみたいけど……うーん、やっぱりいいかな」
と怯んでしまったんです。
すると看護師さんが
「抱っこした方がいいと思うわよ。」と、
優しく赤ちゃんを私の腕に手渡してくれました。
その瞬間、
自分の中で感情がブワッと溢れ出して止まらなくなりました。
「この生き物が、
私の中から出てきたんだ……」
本当にすっごく小さくて、
すっごくか弱くて、
なんとも言えない不思議で愛おしい愛着が、
その時初めて私の中に宿ったのを感じました。
そこからの回復に向けてはとにかく必死でした。
手術から2日後には看護師さんから
「車椅子を歩行器がわりに押しながらでいいから
廊下を行ったり来たりしてみようか」
と言われとすぐに歩き始めました。
3日目には
「今日は何周した?」
「2周です」
「じゃあ寝る前にもう1周しましょう!
動けば動くほど回復が早いからね」
とスパルタな提案が(笑)。
以前の子宮内膜症の手術後にも全く同じことを言われていたので、
「なるほど、メカニズムは同じなんだな」
と理解できました。
実際に、
出された目安よりも
少し自分に負荷をかけるようにして真面目に歩き続けていると、
翌日の体の軽さが全然違うんです。
そして何より、
アメリカの看護師さんたちは、
私が歩く度に
「すごいわ!」
「素晴らしい!」
とめちゃくちゃ褒めてくれるんです(笑)。
それが嬉しくて、
「もっと褒められたい!」
というモチベーションで頑張って歩いていました。
また、
医療用の機械を借りて行った搾乳も、
毎回パーツを手で洗うのは面倒でしたが、
母乳の出が良かったこともあり、
NICUに持っていくと看護師さんたちが
これまた大絶賛してくれました。
その言葉ひとつひとつが、
入院生活の大きな励みになっていました。