手術開始の明確な合図もないまま、
お腹の上に布をかけられ、
グイグイと押される感覚があってから、
体感としてわずか15分ほどで赤ちゃんが誕生しました。
手術室全体に響き渡る
「Happy Birthday!」の大合唱。
一瞬だけ、
本当に一瞬だけ子供の姿を見せてもらえましたが、
呼吸器や点滴などたくさんの処置が必要な状態だったため、
赤ちゃんはすぐにNICUへと連れて行かれました。
夫が赤ちゃんの近くに呼ばれてついていく姿を見送りながら、
私はリカバリールームへと移動し、
体が落ち着くのを待ちました。
事前にナースコーディネーターから
「赤ちゃんはすぐにNICUへ連れて行くことになりますが、
旦那さんは一緒に入れますよ。
お母さんの状態が落ち着いたら、
ベッドごとNICUへ会いにいけますからね」
と一連の流れを詳しく聞いていたので、
離ればなれになっても、
今何が行われているかが分かり、
とても安心していられました。
同時に術後の「痛みのコントロール」では、
アメリカならではの経験をしました。
病院からは通常のアセトアミノフェンやイブプロフェンの他に、
強力な医療用麻薬である「オキシコドン」も処方されていたのですが、
これを使うかどうかは完全に「自分次第」だったのです。
看護師さんに「痛い」と伝えると、
「オキシコドンあるけど使う?」と聞かれ、
ドキュメンタリー映画などでその怖さを知っていた私は
「えっ、オキシコドン!?嫌です!」
と拒否していました。
でも、
どうしても痛みが限界になり、
「飲んだ方がいいのかな……」と漏らすと、
看護師さんは「あなた次第よ」と言うばかり。
これまで医療陣の指示通りに進んできたのに、
ここにきて急に自分で決めろと言われて戸惑ってしまったんです。
見かねた看護師さんが
「これは医療用で、
医師の管理下でしか出せないもの。
短時間で痛みが取れて回復も早くなるから、
使ったほうがいいと思いますよ。」
と丁寧に説明してくれたことで、
ようやく「お願いします」と受け入れることができました。
服用すると驚くほどスッと痛みが消え、
「こんなことなら、
最初からちゃんと説明を求めて使えばよかった!」
と後悔したほどです。
その後、
実際に夫がNICUから私の元へ戻ってきて、
私の状態が落ち着いたタイミングで、
約束通りベッドごとNICUへ連れて行ってもらい、
そこでようやく赤ちゃんと一緒に初めての写真を撮ることができました。
部屋に戻るとすぐに
「ラクテーションコンサルタント(母乳育児の専門家)」の方がやってきて、
「体はツラいかもしれないけれど、
さっそく搾乳を始めていきましょう!」
とベッド上での搾乳がスタートしました。