今までお腹を切られたことが無かったので、
お腹を開けられる怖さしかありませんでした。
恐怖でした。
硬膜外麻酔を入れているからか、
寒気もあったり、
こんなにも頑張ったのにも関わらず
下から出産できなかったことに絶望を感じ、
「どうして出てこなかったんだろう。」
と涙を浮かべながら、
手術室に行ったことしか覚えていません。
夫はペラペラの防護服みたいなものを着て、
私の側に座っていてくれました。
お腹を切られている時、
感覚は無いのですが、
怖かったので、
夫にずっと手を握っていてもらいました。
さらに吐き気を強く感じていたので、
看護師さんがアルコール綿で鼻の前を仰ぎ、
吐き気を誤魔化してくれました。
案外、
アルコールのツーンとした匂いで、
吐き気は誤魔化されていました。

いつでも吐いて良いように、
袋も顔の近くに置いてくれていました。
赤ちゃんが出てきた時は、
麻酔のせいなのかずっと気持ち悪くて、
最初にカンガルーケアをした時も、
嬉しさより気持ち悪さの方が強くて、
複雑な心境でした。
赤ちゃんを抱きしめることが
普通にできると思っていたのですが、
実際は抱きしめたことも
そんなに覚えていないのです。
一番感動的なシーンだったと思うのに、
吐き気がひどくて、
とりあえず終えた感だけは感じたというところです。
夫は意外としっかりとしていて、
淡々とへその緒も切り、
写真も取ってくれて、
それがちょっと面白かったです。
その後はリカバリールームに移り、
落ち着いたら個室に移りました。