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CASE7ー2 ある詩との出会い

30週くらいの母親学級の時に、

 

助産師さんが、「子宮の詩」という詩を読んでくれました。


【子宮の詩】

 

私は子宮です。

私の唯一の働きは収縮です。収縮はエネルギーです。

 

今、私は妊娠して赤ちゃんを抱えています。

きれいな羊水をいっぱいに満たし、その中に赤ちゃんを浮かべて育てています。

時々はかわいくてたまらず、優しく収縮して抱きしめてしまいます。

しかしやがて赤ちゃんとの悲しい別れが来ます。

 

お産の時がくると、私は赤ちゃんをこの世に送り出すために

収縮して子宮口を開きます。

そしていよいよ赤ちゃんが生まれる時には

収縮するたびに赤ちゃんの胸を圧迫して呼吸運動を整えます。

 

私の不満は、私の主人であるあなたが、私に『陣痛』という名前をつけて

嫌な目で見ていることです。

私は何もあなたを苦しめるわけではありません。

むしろ私と一緒になって赤ちゃんの誕生に力を貸してください。

いえ、そんなに難しいことではありません。

私が力いっぱい収縮したら

『あら、ご苦労さま。お願いね』と言って

心と身体をリラックスしてくれれば、それで十分です。

そしてゆっくり息を吐いたり、動きたいように動いてみてください。

それだけ私の仕事ははかどります。

 

まあ、妊娠中も時々は私に会いに来てください。

そして私が抱いている赤ちゃんに会ってくださいね。

私たちはよい仲間なのですから、さわったり、なでたりしていただくと

私は本当にうれしいのです。

それではお産の時にまた会いましょう。さようなら

 

九島璋二先生著【安心できる はじめての妊娠と出産】から引用


 

この詩を聞いた時に、

 

一気に陣痛への恐怖がなくなっていったのを覚えています。

 

「私は陣痛に偏見を抱いていたんだなぁ。

 

今まで経験したことも会ったこともない陣痛さんに、

 

ただただ恐怖を抱いて、

 

お母さん達が痛がっているのを見て、

 

怖いと思っていただけで、

 

自分の気持ち次第ではどうとでも捉えられるものなんだな。

 

陣痛さんは私のパートナーなんだ。」

 

と思うことができ、

 

陣痛を前向きに受け入れようという、

 

気持ちの準備ができるようになりました。

 

それを機に妊婦生活も楽しくなったように思います。

 

そして経膣分娩で産む!というイメージをどんどん膨らませていきました。

 

「こんなふうに産めたらいいな。産まれたらこんな風に触ってお胸の上に迎えられたらいいな。」

 

などと考えていました。

 

妊婦中は、赤ちゃんが小さいこと以外は特にトラブルなく過ごしていました。