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CASE44−16 お腹の傷は闘いの勲章

退院した後は、

 

自宅での生活が大変でした。

 

ベッドではなくマットレスを敷いて寝ていたので、

 

起き上がるのが大変で、

 

当面はソファで寝ていました。

 

上の子もいたので、

 

夜間授乳があるからリビングにベビーベッドを置いて対応していました。

 

子どもがお腹に乗ろうとしてくるので、

 

本当に止めてという気持ちでした。

 

遊びたくてしょうがないし、

 

抱っこもしてほしかったと思うんですが、

 

大変でした。

 

帝王切開だったからか、

 

産後の悪露が長かったのが気になりましたが、

 

産後の大きなトラブルはありませんでした。

 

 

同じ時期の予定日の友人がいて、

 

お互いに出産を楽しみにしていたのですが、

 

その友人は本当に自然なお産を目指したいと考え、

 

自宅出産を計画していました。

 

その様子をLINEで送ってきてくれたのです。

 

普通に感動して、

 

涙も出たのですが、

 

すごくうらやましいという気持ちがありました。

 

自宅と病院の違いはあれど、

 

同じような時期に出産で、

 

同じように経腟分娩で、

 

お互いに頑張ったねという感じで出産を終えられると思っていたけど、

 

私がお互い頑張ったと思えないところがありました。

 

「自分の力で産んでいないからな。」

 

と感じたのです。

 

その友人は、

 

すごく良い体験をしたので、

 

「産む力」みたいなワードを使って、

 

これがもっと世の中に広まればいいなと考えてSNS等で発信しているのです。

 

今は帝王切開とか無痛分娩の件数が増えているけれど、

 

本当にそれでいいのか?

 

という立場で書かれていて、

 

私は帝王切開ということで悩んでいたので、

 

「私は帝王切開を選びたくて選んだわけじゃないんだけどな。」

 

という気持ちになりました。

 

帝王切開が悪いとは書いていないのですが、

 

そういう投稿を見ると複雑な気分になってしまうのです。

 

見るのが複雑なのですが、

 

投稿が上がってくるので見ちゃう、、、

 

という状況でした。

 

 

今は当時ほど辛く感じなくなりました。

 

その友人の言葉の意味も

 

素直に捉えられるようになった気がします。

 

その友人の姉が助産師さんで

 

バースレビューみたいなことを

 

ランチをしながら話すというイベントに参加しました。

 

その友人の前で涙を流しながら

 

私だって自分の産む力で自然で産みたかったと、

 

その友人に向けて言ったわけではないのですが、

 

そういう場があったことで

 

私のモヤモヤしていた気持ちが少しは浄化できたかなと思います。

 

出産体験は何回話しても良いんだなと思いました。

 

経腟分娩でも

 

帝王切開でも

 

ママが命をかけて産んだことには変わりはない、

 

よく頑張った、

 

お腹の傷も闘いの勲章だと思えるようになってきました。

 

時間がかかりましたけどね。

 

どんなお産も命がけであることに変わりはないと

 

今は心からそう思えます。