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CASE44−11 これは私の子?

「よし!

 

じゃあ、全部準備は整ったから、

 

手術室に行くぞ!」

 

と運ばれました。

 

手術室に入るのはこれが人生初めてでした。

 

怖いというよりは、

 

「皆せかせか動いていて、

 

すごく沢山の人がいるなぁ。」

 

という印象です。

 

麻酔は怖かったです。

 

横向きで

 

「丸まって。」

 

と言われても、

 

お腹が大きくて丸まれないし、

 

「痛かったら言ってくださいね。」

 

と言われた時に、

 

本当に痛みがあって、

 

その時は

 

「わぁ〜、背中に何か入ってるの、

 

怖いなぁ。」

 

と思いました。

 

「15分くらいで出てくるよ。」

 

と言われたのですが、

 

本当に麻酔を打って、

 

切ってすぐに出てきました。

 

怖さもあったのですが、

 

頭の上で麻酔科の先生が

 

「名前どうするの?」

 

とか気を紛らわせるようにたくさん話しかけてくださいました。

 

話しかけてくれたのはありがたかったけれど、

 

先生のお話に集中できない自分もいました。

 

青いカーテン越しに自分のお腹はどうなっているんだろうと思っていました。

 

赤ちゃんが出てきて、

 

泣いている声も聞こえ、

 

「えぇ!本当に自分のお腹から出てきたの?」

 

というような感覚でした。

 

みなさん

 

「おめでとうございます!」

 

と言ってくれたのですが、

 

経腟分娩の時よりも、

 

自分で産んだ感覚が湧かなくて、

 

いきんだりもしていないから、

 

手術道具のカシャカシャする音が聞こえる中、

 

産まれてきたという感じです。

 

対面してようやく

 

「本当に産まれたんだ。」

 

と実感じました。

 

自分の子で合ってますよね?

 

と聞きたくなるような感覚でした。