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CASE44−10 最後の悪あがき

できれば自然に産みたいと思ったので、

 

必死に思い出し、

 

腎盂腎炎に今までかかったことがあり、

 

その時の痛みと似ている、

 

尿路感染系の痛みなんじゃないかと訴えました。

 

すると院長先生は

 

「おー、そうか、そうか、

 

既往があるならそうかもしれない。」

 

と言い、

 

尿検査をしましたが、

 

腎盂腎炎ではありませんでした。

 

そういう悪あがきをしながらも

 

結局赤ちゃんの生命が一番だから、

 

渋々

 

「分かりました。」

 

と承諾書にサインをし、

 

夫にはすぐに出産にならないと思っていたので、

 

帰ってもらったのですが、

 

LINEで

 

「今から帝王切開になるかも。」

 

とメッセージを送り、

 

子どもとタクシーで病院に向かってもらいました。

 

 

手術までには間に合わないので、

 

夫への説明は電話で先生が行い、

 

同意も取っていました。

 

夫からは

 

「おー、じゃあ頑張って〜。」

 

というような

 

びっくりしていたとは思いますが、

 

子どもを連れて病院を往復することに疲れていたのだろうし、

 

私とは温度差のある感じでした。

 

正直、

 

私はものすごく帝王切開に決まったことが嫌でした。

 

楽しみにしていた試合を取り上げられたような気持ちというか、

 

その時点ではVBACというものがあることを知らなかったので、

 

3人産みたいと思っていたけれど、

 

自然に産めない体になってしまったのかという

 

「なんで切られちゃうんだろう。」

 

という残念な気持ちになっていました。