· 

CASE43ー2 悲しみの採卵

不妊治療はやはり辛かったです。

 

病院の雰囲気がまず暗い。

 

病院に来られている方、

 

皆さんが緊張されているという印象があり、

 

空気もどよーんとしているように感じました。

 

待合室には人もギュウギュウで、

 

待ち時間も長かったです。

 

いざ治療が始まると痛かったし、

 

怖かったです。

 

卵子を採った時のことです。

 

採った全ての卵子が空胞で、

 

使うことができない卵子でした。

 

その時は、

 

すごく辛くて泣いてしまいました。

 

あんなに大変だったのに、

 

一つも卵子が採れなかったかと思うと悲しかったのです。

 

夫は側にいるだけで、

 

特に何も言いませんでした。

 

私自身、

 

このつらい気持ちを正直に言ったところで、

 

男の人には分かってもらえないだろうと思っていました。

 

その後、

 

採卵できたのち、

 

2、3回目に受精卵ができました。

 

子宮に戻した1回目は成功しませんでした。

 

生理が来たときは、

 

この世の終わりくらいに落ち込みました。

 

子宮に2回目に戻した時、

 

ようやく成功しました。

 

すごく嬉しかったのと同時に不安もありました。

 

初期流産ということもあると聞いていたし、

 

産まれるまではずーっと不安があったように思います。

 

ちゃんと産まれてきてくれるだろうかと産まれるまで不安がつきまとっていたので、

 

SNSでも言わなかったし、

 

周りの友達にも妊娠したことを告げていませんでした。

 

もし、

 

妊娠したことを伝えると、

 

無事に産まれてくることができなかった時、

 

その悲しい報告も伝えた人たちにはしないといけない、

 

そうすると友達にも悲しい思いをさせてしまうと思ったのです。

 

なので、

 

周りから妊娠に対して良くも悪くも何かを言われた記憶はありません。

 

ーーーーーつづく