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CASE41−6 息ができない

いきみ倒したものの、

 

赤ちゃんの心音は一度も下がることなく、

 

元気だったようです。

 

ですので、

 

緊急帝王切開とはいえ、

 

緊急ではなく、

 

手術室の準備も万端だったようです。

 

手術室に入り、

 

「ようやく産まれる〜。」

 

と思ったり、

 

「手術室ってこんな感じなんだ〜。」

 

と自分よりも外側に気が向いていました。

 

痛みについては記憶がありません。

 

麻酔は新たに刺し直したりはせずに、

 

手術用の麻酔薬を入れられたようでした。

 

麻酔薬を入れ始めると、

 

息ができなくなりました。

 

「息ができない。」

 

ということを伝えたいのに、

 

身体ももう動かないので、

 

側にいる麻酔科医にも伝えられませんでした。

 

夫も側にいたので、

 

とにかく夫か麻酔科医に伝えたいと、

 

必死になって目だけを一生懸命動かしていました。

 

ようやく夫が気づいてくれて、

 

麻酔科に伝えることができました。

 

麻酔科医は酸素マスクを付けてくれたのですが、

 

あんまり楽にはなりませんでした。

 

自分は苦しいと思っているのですが、

 

酸素の数値は変わることは無かったので、

 

それ以上のことはしてもらえませんでした。 

赤ちゃんは一瞬で出てきて、

 

私は帝王切開で産まれた子は医師が処置をするまで泣かないものだと思っていたのに、

 

産まれた瞬間に泣いたので、

 

ようやく出てきた!

 

と産まれたことが分かり驚きました。

 

その後、

 

赤ちゃんは処置のための台に連れて行かれ、

 

問題がなかったようでカンガルーケアをしに戻ってきました。

 

その時、

 

私は息ができなさ過ぎて、

 

「赤ちゃん、抱っこする?」

 

と聞かれたものの、

 

そんな余裕はありませんでした。

 

一瞬だけ私の胸の上に置かれましたが、

 

すぐに夫に抱っこしてもらいました。

 

赤ちゃんの産まれた瞬間の喜びを味わうことはできませんでした。

 

夫はめちゃくちゃ喜んで、

 

感動して泣いていたようです。

 

それすらも私は見ることができませんでした。

 

そのまま手術は進んでいったのですが、

 

「出血量が多くて、、、。」

 

という声が聞こえてきました。

 

止血するのに手間取っている様子で、

 

私は

 

「あ〜、そうなんだ。」

 

と思っていたくらいでした。

 

手術終わった後に、

 

医師が説明に来てくれた時も、

 

「通常よりも出血量がちょっと多かったから、、、。」

 

という説明を受けました。

 

その後、

 

リカバリールームから個室に移動しました。

 

手術が終わったのは明け方でした。