そうして無事に赤ちゃんを産むことができました。
産声があがり、
本当にお腹の中から人間が出てきたことに驚きました。
お腹から出てすぐ赤ちゃんの測定があり、
夫が生まれたての赤ちゃんの様子を
カメラで撮影してくれました。
胎脂を拭いてすぐに、
看護師さんが赤ちゃんを私の胸に乗せてくれました。
そこには、
お腹の中をよく蹴っていた足、
エコー写真の撮影中にへその緒で遊んでいた手、
ずっと肋骨に挟まっていた大きな頭がありました。
もっとほっそりしていると思っていた赤ちゃんは
想像よりしっかり脂肪を蓄えていましたが、
まだすべての関節がぐらぐらで、
ただ胸に乗せているだけでも
どう支えたら良いかわかりませんでした。
新生児特有の、
ミルクに似たとても良い匂いがしました。
髪の毛だけでなく背中の毛もしっかり生えていて驚きました。

手術開始から30分程で出産が終わり、
その1時間後には再度待機ベッドまで戻ってきました。
夫もそのタイミングでやっと赤ちゃんを抱くことができ、
とても嬉しそうでした。
赤ちゃんはまだ自分が外の世界に出てきた実感が無いようで、
ときどき薄目を開けたりあくびをしていました。
手術の麻酔が抜けるまで2時間ほど待ち、
その後ストレッチャーに乗ったまま
入院用の個室へ移動しました。