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CASE25−11 麻酔が効いていない!!

私の体は麻酔にすごく反応するようで、

 

すごく寒気がしました。

 

全身ガクガク震えていました。

 

その状態で手術室に手を広げて寝かされたのですが、

 

ガクガクだったので、

 

手を全く伸ばせませんでした。

 

体が自然に動いてしまってコントロールできない状態でした。

 

その瞬間が一番辛かったです。

 

麻酔のおじいちゃん先生が後ろに立っていたのですが、

 

「もう無理、無理。寒いし無理。」

 

と言うと、

 

腕のところに温かいタオルを置いてくださいました。

 

それで少しはマシになったのですが、

 

やはりジッとはしていられませんでした。

 

そうこうしているうちに

 

「手術が始まりますよ。」

 

と声がかかり、

 

主人が手術室に入ってきて、

 

近くに座ってくれたので、

 

ずっと手を握ってもらっていました。

 

手術が始まると、

 

すぐにカーテンの向こうで赤ちゃんの泣き声が聞こえました。

 

今思い出したのですが、

 

手術が始まり、

 

お腹を切って、

 

しばらくしてから私のお腹に激痛が走りました。

 

もうめちゃくちゃ痛くて、

 

鈍痛というんでしょうか、

 

麻酔がしっかりと効いていなかったようで、

 

「痛い!痛い!!痛い!!!耐えられない!耐えられない!」

 

とずっと叫んでいました。

 

すると何かお薬を入れてくれたようで、

 

そこから私は意識が朦朧としてしまい、

 

赤ちゃんが産まれた時の泣き声も、

 

すごく遠くのところで聞いている感じで、

 

意識がどんどん薄くなっていくのが分かって、

 

「私、もうダメだ〜、ごめんね、私は行ってしまう、じゃあね〜。」

 

と思い、

 

そのあとすぐに気絶したんだと思います。

 

ですので、

 

通常だったら産まれた後にお胸の上に乗せてもらいたかったのですが、

 

その時間が無く、

 

それがとても心残りです。

 

もしかしたら連れてきてくれたのかもしれないですが、

 

私の記憶には全く無いです。

 

かすか遠くで主人が

 

「赤ちゃんを抱っこしてくる。」

 

と言ったのが最後に聞こえた言葉でした。

 

記憶が薄らぐ中でも、

 

赤ちゃんが産まれた時の泣き声を聞いた時は

 

「産まれた!信じられない。あ、元気だ!良かった。」

 

と思いました。