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CASE15−4 体も心も限界

夫と先生が廊下で話をして、

 

二人とも部屋に戻ってくると、

 

「今、

 

こういう状態で、

 

赤ちゃんも問題はないけれど、

 

お母さんの体力と、

 

赤ちゃんのことも考えて、

 

このまま促進剤を続けて、

 

今日の昼に産まれるか・産まれないかなんだよね。」

 

と言われました。

 

それは夜中の3時くらいでした。

 

「えぇ!

 

ダメだ!

 

昼過ぎにも産まれないって、

 

あと9時間も産まれない!?

 

ずっとこの状態なの?」

 

と思うと、

 

「もういいや。」

 

という気持ちが出てきました。

 

「あとはご夫婦で話し合ってください。

 

手術をするということは体にメスをいれるということですから、

 

よく話し合って決めてください。」

 

と言い、

 

先生は出ていきました。

 

私は、

 

もう二言目には、

 

「もう、いいよ。」

 

と言っていました。

 

 

一応、

 

実家の母にも相談して、

 

「帝王切開になりそう。」

 

ということを伝えると、

 

母は昔の人だからか、

 

「えぇ!?」

 

という感じのリアクションでした。

 

私は3人兄弟で、

 

母は全員下から産んだので、

 

私も下から産むんだと思っていたみたいでショックだったようです。

 

母がショックを受けたことに私がショックでした。

 

私にとって母は先生のようなものなので、

 

結婚してからも妻として、

 

妊娠してからは母としてということを教わってきました。

 

結婚するまで実家暮らしをしていて母は神のような存在でした。

 

何か困ったら、

 

まず母に相談するという関係性でした。

 

母がショックを受けたということは、

 

こうしてお話をしている今でもショックですし、

 

母も悪気なく言ってるんだと思っていますが、

 

産後に

 

「下から産めなかった。

 

私は下から産むのが上手だったのに、

 

そんな私の子なのにどうしてあなたは下から産めなかったんだろうね。」

 

と言われることがあり、

 

落ち込んだりすることもありました。

 

私自身も産後にまで痛い思いをするんだったら、

 

下から産みたかったと思っています。